長島と細野の離党は「自公維」改憲勢力の後押しという利敵行為

長島氏離党にみる民進党の「終わりの始まり」

執行部激怒、衆院選の「刺客」に蓮舫代表も
【東洋経済】泉 宏 :政治ジャーナリスト 2017年04月13日 http://toyokeizai.net/articles/-/167484

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発足1年を迎えたばかりの民進党から長島昭久元防衛副大臣が離党し、蓮舫執行部が大混乱に陥った。

同党で初の離党者となった長島氏は、昨年9月の代表選への出馬も模索した党内保守派のリーダー格。「共産党との共闘は容認できない」と"三下り半"をたたき付け、「重大な反党行為」と激怒した党執行部は同氏の除籍処分を決めた。「追随者を防ぐための厳しい措置」(執行部)だが、党内には「離党予備軍は相当数存在する」(保守派有力議員)のが実態だ。「真の保守」の構築を目指して、当面は無所属で活動するという長島氏に対し、自民党や日本維新の会からは「一緒にやりたい」との秋波も送られる。

また、長島氏の離党と同じタイミングで同党代表代行の細野豪志元環境相が月刊誌に憲法改正私案を発表した。改憲をめぐる執行部への不満が背景にある。相も変わらず「党内バラバラ」の醜態をさらしたことで、「森友疑惑」で安倍1強政権が動揺する中でも民進党支持率の低迷が続き、国民からは「政権の受け皿」としての資格も否定されつつある。前身の民主党結党から21年、長島氏の離党が「民進党の終わりの始まり」との見方も広がる。

長島氏、「真の保守」求め小池新党との連携も

長島氏が離党を決断したのは3月末。民進党議員を中心とする「長島グループ」(国軸の会)の会合で「一人で離党する」と了解を求めた。出席者の多くは慰留したが「決意は固かった」という。

長島氏は4月10日午前に国会内で野田佳彦幹事長と会い、離党届を提出した。「私の居場所がなくなった」と訴える長島氏に対し、野田氏は「なぜ今なのか」と不快感を示し、長島氏が比例復活組であることから「議員辞職が筋ではないか」と詰問したが、長島氏は「そのつもりはない」と離党届を置いて退出。そのあと国会内で記者会見した長島氏は「共産党との選挙共闘という党方針は受け入れがたい」と離党の理由を説明したうえで、「消費税やTPP(環太平洋経済連携協定)、憲法改正などの基本政策への党の対応方針にまで共産党が影響を及ぼす場面が目立つ」と批判した。

これに対し、蓮舫代表は「野党選挙共闘は党大会で承認された党の方針だ」と反論。長島氏の離党については、11日午後の党常任幹事会で「東京都議選(7月2日投票)の選挙を取り仕切る党都連幹事長としての職務を放棄する背信行為」として除籍処分とすることを決め、党倫理委員会に諮問した。同党内には厳しい処分への慎重論もあったが、「今頃何を言っているのか」と怒る執行部からは「次期衆院選では長島氏の『刺客』として蓮舫代表を立てるべきだ」(選対幹部)との声も出ているという。

一方、長島氏は会見で小池百合子東京都知事との連携の可能性を問われると「あらゆる可能性を追求していきたい。真の保守政治を確立するため、私の思いに共鳴する方と行動を共にしたい」と前向きの姿勢を示したが、当面は無所属議員として活動し、民進党内の長島グループにも「同調するメンバーはいない」と語った。これに関連して自民党の下村博文幹事長代行は「自民党会派で活動してもらえればありがたい」と秋波を送ったが、長島氏は「(自民会派入りは)まったく考えていない」と否定した。

長島氏が小池都知事との連携をにじませた背景には、都議選の民進党公認候補だった同氏の元秘書が離党して、小池新党と呼ばれる「都民ファーストの会」への参加を模索する動きもあるからだ。長島氏にとって蓮舫代表より小池氏の方が「政策的に近い」こともあり、「次期衆院選もにらむと、小池氏との連携が生き残りの道と判断した」(民進党幹部)との指摘もある。

長島氏は衆院当選5回。幼稚舎からの慶応ボーイで同大大学院を経て米国に留学。外交・安全保障などを学び、帰国後は政治家を志し、2003年の衆院選で東京21区から旧民主党公認で出馬して初当選した。2014年の衆院選まで比例復活(2回)も含めて連続当選を続けている。野田政権では防衛副大臣を務めた外交・防衛分野の専門家で、自民党からも評価される党内保守派の中心人物でもあった。

細野氏が「改憲私案」、執行部内の対立露呈

長島氏の離党と時を同じくして細野代表代行の憲法改正私案が10日発売の月刊誌『中央公論』に掲載された。私案は(1)幼児から高校までの教育無償化、(2)大災害時に国会議員の任期延長を認める緊急事態条項――などが柱となっており、細野氏は「国民は、憲法の考え方を示せない政党に政権を託すことはない」と力説する。ただ、蓮舫代表は「教育無償化の実現には改憲は不要」などと主張しているだけに、憲法改正という「最大の基本政策」での執行部内の意見対立を露呈した格好だ。

この細野私案については二階幹事長が「われわれの考え方をよく理解してくれている」と述べるなど自民党は好意的に受け止めている。しかし、岡田克也旧民主党前代表が「安倍政権下では憲法改正は議論しない」と繰り返したように、蓮舫体制も現状での改憲論議には慎重だ。次期衆院選での共産党との「共闘」志向が背景にあり、憲法改正に踏み出せば「改憲絶対反対」の共産党との選挙協力が困難になるからだ。ただ、細野氏も含め党内保守派は執行部の対応に批判的で、長島氏の離党と細野私案の発表が重なったのも「偶然ではない」(民進党長老)と受け止められている。

衆参所属議員約140人の勢力の民進党だが、党内には12の派閥(長島グループも含む)がある。複数所属も認められるが「群雄割拠どころかどんぐりの背比べ」(党幹部)だ。しかも、「憲法改正」や「民共共闘」という政党の基本理念や政治路線だけでなく、税制やエネルギーなど基本政策でもことごとく意見が対立している。蓮舫代表は年頭に「今年こそは党内バラバラと笑われない政党にしたい」と"結束宣言"をしたが、その後の党内状況を見るかぎり「結束どころかバラバラ感が加速するばかり」(若手)というのが実態だ。

「森友疑惑」での厳しい追及にも、有権者からは「政策論争そっちのけでのスキャンダル追及は理解できない」との声が多く、政党支持率は一ケタ台に低迷したままだ。このため、党内でも「決定打のない森友疑惑よりも共謀罪での政権攻撃が効果的」(国対幹部)との声も出ているが、「審議拒否すれば国民の批判を浴びる」と"及び腰"が目立ち、共産、自由、社民各党との「4野党共闘」も形骸化している。

「本来なら国会での徹底抗戦で自公政権を解散に追い込むのが最優先」(民進党長老)のはずだが、「7月2日の都議選とのダブル選狙いの解散断行」などのうわさを流すのは自民党で、蓮舫代表らは「受けて立つ」と強がるものの小選挙区での新人候補擁立にも苦しんでおり、選挙態勢は脆弱なままだ。

「解党して政界大再編の捨て石」となるのか

長島氏が離党の理由とした「共産党との選挙協力」を、蓮舫執行部が「政権選択選挙」と位置づけられる衆院選で強行すれば「永遠の野党を選択した」(保守派有力議員)として党分裂は避けられない。その一方で「野党バラバラで戦えば、自公圧勝阻止は不可能」(党選対)というのが厳しい現実だ。まさに「進むも地獄、退くも地獄」という民進党の窮状に「安倍1強政権の最大の"功労者"は民進党」(自民長老)との嘲笑も絶えない。

このため、長島氏の離党をきっかけに「どうせダメなら、党を解体して自民党も含めた政界大再編につなげるための"捨て石"になるしかない」(若手)との声も出る。鳩山由紀夫、菅直人両氏(いずれも元首相)らによる民主党結党から21年、2009年には日本の閉塞状況打破への国民の期待を受けて自公政権打倒に成功した「改革政党」の終着駅が「解党して出直し」というのではあまりにも救いがないのだが。

紙の爆弾 2017年 5月号 [雑誌]

鹿砦社/鹿砦社

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by amenbou | 2017-04-13 17:44 | ニュース | Trackback | Comments(0)

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