親鸞の言葉

本日の〝半身浴の伴〟は『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』島田裕巳著(幻冬舎新書)を読む。

興味深かったのは、「近代になって見出された新たな親鸞像【P120】」で、以下の記述を抜粋する。

 <浄土真宗を開いた親鸞は、宗祖のなかでもその存在が際立っている。以前は、出版社が経営困難に陥ったときにには、「親鸞もの」を出せばなんとかなるとさえ言われていた。近年でも、五木寛之の小説『親鸞』(講談社)はベストセラーになった。/カリスマ性ということでは、空海や日蓮も親鸞と肩を並べるが、親鸞の人間性のなかには近代的自我に通じるものがあり、その生き方自体が現代の人間にアピールするところがある。親鸞について書いたり、研究したりする人間は、その苦悩に共感し、そこに自らの魂の救済への可能性さえ見出そうとしている。これは、空海や日蓮については起こりえないことである>

 実は親鸞は、明治の頃まで歴史学者から実在は疑わしいとされていたが、1921年(大正10)に西本願寺の宝物庫から『恵信尼消息』という書状が発見され生存が証明されたというのだ。さらに島田氏は親鸞の出自の謎、六角堂で聖徳太子から夢告をうけた謎、法然との師弟関係の謎、新潟への流罪の謎について論及している。

 <親鸞が大教団の宗祖として、またカリスマ性のある宗教家として、今日強い存在感を示しているのは、その没後、親鸞を祀り上げようとする試みがなされた上に、親鸞を宗祖とする浄土真宗の教団が大きく発展していったからである。/こうした事情はキリスト教の場合とも重なってくるが、そもそもカリスマ的な宗教家は自らの教えを直接残さないのが通例である。教えとされるものは、その生涯の事績を含めて、弟子たちがまとめ上げ、伝えていく。イエス・キリストがそうであるように、親鸞もその典型なのである【P134】>

 なるほどと納得する。しかし、門徒の家に生まれ育ったぼくとしては浄土真宗と親鸞聖人の「絶対他力」の教えを常々誇りとして生きてきた。その誇りの根拠は以下の指摘と共通する。

 <本願寺には「神祇不拝」の伝統があり、神棚を祀ったり、神社に参拝することを拒否したりする。また、霊が実在しないという立場をとり、葬式の際の「清めの塩」を否定する。ただし、門徒には地方の保守的な階層に属する人間が多く、そうした方針が必ずしも徹底されているわけではない【P141】>

 方針が徹底されるどころか、人間平等を教義とするのに他宗派を羨み「院号」を求める人が後を絶たないのである。
 ぼくは親鸞の「それがし親鸞閉眼せば賀茂川に流し魚に与うべし」の遺言が心に突き刺さるのだ。

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みなみ あめん坊
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「文武両道あり得ない」下関国際・坂原監督が野球論語る
【日刊ゲンダイ】2017.8.18

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 13日に登場する下関国際(山口)は、創部52年で春夏通じて初の甲子園。高校野球の指導者を目指していた坂原秀尚監督(40)は、教員免許取得のために東亜大に通いながら、05年、大学近くの下関国際の監督に就任した。就任前に部員の集団万引が発覚、山口大会の抽選会直前で出場停止処分になるなど荒れ放題だった野球部を立て直した坂原監督の野球論とは――。

■荒れ放題だった野球部を甲子園に

 ――野球部はかなり荒れていたと聞きますが。

「僕が来た当初はそうですね。突然、厳しい監督が来たとなって、(部員が)みんな辞めて最後は1人になりました。その後、3人戻ってきて4人になった。グラウンド整備や道具の扱いが、とにかくヒドかった。野球がうまい下手のレベルじゃない。そういうマナーを教えると、面倒くさがって辞めていくんです」

 ――今年は主将の子が逃げたとか。

「そうです。今年に限らず、毎年います。イベントみたいな感じ(笑い)。一昨年も(県大会で)準優勝したんですが、キャプテンで4番でエースの子に責任を持たせるためにあえてそういうポジションにしたんですが、途中で逃げ出しました」

 ――どうやって立て直し、選手に自信をもたせたのですか?

「春先に県外のチームと試合をして、競ったり勝ったりして自信をつけてきました。広島、東京、大阪にも行きます。遠征費は、毎月3000円の部費を生徒から徴収してますので、それでまかなう。僕がマイクロバスを運転して広島まで往復すると、ガソリン代と高速代で2万円くらいかかる。泊まりの場合はご家庭で(宿泊費を)負担してもらいます。東京には北九州空港から行きます。年末に近くのマルハニチロさんの漁港で冷凍した魚を冷凍車から降ろすアルバイトをさせてもらって、そのお金で飛行機に乗るんです」

■携帯電話は入部時に解約

 ――朝5時から練習するそうですが、選手が自主的に?

「半強制です。自主的にやるまで待っていたら3年間終わっちゃう。練習が終わって学校を出るのは21時くらい。本当に遅いときは23時くらいまでやることもあります。毎日ではないけど、長期休みの時期とか。遠征に行っても、大広間で生徒はみんな同じ空間にいるけど、やっていることはバラバラ。練習でもそうです。今の子は連帯感が希薄なんですよね。少しでもそういうのを大事にしていかないと、うちのような弱いチームは他に勝てない。進学校さんはそういうやり方が嫌いだと思いますけど」

 ――確かに、自主性をうたう進学校は増えています。

「そういう学校には、絶対負けたくない。実は東筑(福岡の進学校で今大会に出場)さんとは(現監督の)青野さんの前任者のときに1回、合同練習をしたことがあるんですけど、うちの練習を見た(東筑の)選手から『やってて意味がない』と(下関国際の選手が)言われたんです。(下関国際のように)きついことはしていない。賢い子も『意味がない』と、すぐに言うでしょ? 今回の県大会で宇部(初戦)と下関西(2回戦)と、進学校に当たったので、普段練習してないだろうと思って、思いっきり長い野球をやっちゃろうと。ボールも長い時間こねて、牽制もバンバン投げて。七回になったら向こうもヘトヘトでした。僕ね、『文武両道』って言葉が大嫌いなんですよね。あり得ない」

 ――野球と勉学の両立は無理と?

「無理です。『一流』というのは『一つの流れ』。例えば野球ひとつに集中してやるということ。文武両道って響きはいいですけど、絶対逃げてますからね。東大を目指す子が2時間の勉強で受かるのか。10時間勉強しても足りないのに」

 ――文武両道は二流だと?

「そういうことです。勉強しているときは『いや、僕野球やってますから』となるし、野球やっていたら『勉強が……』となる。“練習2時間で甲子園”って。2時間って試合時間より短い。長くやればいいってことではないけど、うちは1日1000本バットを振っている。1001本目で何か掴むかもしれない。なのに、時間で区切ってしまったら……。野球って自力のスポーツで、サッカーやバスケみたいな時間のスポーツじゃない。100点取ろうが、3アウト取らないと終わらない。2時間練習して終わりじゃあ、掴めるわけがないんです。スポーツ庁が(部活動の休養日や時間の制度化を検討し)練習を何時間以内にしようと言っているでしょ? あんなんやられたら、うちみたいな学校は、もう甲子園に出られない」

 ――選手に任せることはしない?

「自主性というのは指導者の逃げ。『やらされている選手がかわいそう』とか言われますけど、意味が分からない。(対戦する)三本松(香川)さんって進学校ですか?」

 ――どうでしょうか……県立ですよね。

「三本松さんの選手、甲子園(球場)でカキ氷食ってましたよ。うちは許さんぞと(笑い)。僕らは水です。炭酸もダメ。飲んでいいのは水、牛乳、果汁100%ジュース、スポーツドリンクだけ。買い食いもダメ。携帯は入部するときに解約。3日で慣れますよ。公衆電話か手紙でいいんです」

 ――昭和の野球ですね。

「他校の監督さんは『楽しい野球』と言うけど、嘘ばっかり。楽しいわけがない。僕は現役のとき、日々の練習で野球が楽しいと思ったことはなかった。『楽しく』という餌をまかないと(選手が)来ないような学校はちょっと違う」
荒廃した環境の中から一から野球部を作り上げたという意味では、選手たちの生活習慣や態度から見直し、しっかり鍛え上げたのは相当の苦労があったのは理解できます。

ですが教員免許を持つ教職に身を置く人物が、「文武両道は無理」と断言し、むしろ高校生の本分である勉学を軽視するような発言をすることは、明らかに本末転倒と断じざるを得ません。

結局のところ監督から強いられた練習しかやらなければ、自分で考えることを止めてしまいますし、そもそもこの監督は「自主性」という意味を勘違いされています。「自分たちで考えてやれ」と言われ、最初からできる選手なんて誰1人いません。

監督が選手たちと対話をしながら自分たちで考えさせるように仕向け、さらに問題に直面した際に自分たちで解決法を導き出せる力を身につけさせる指導をしていなかれば、真の自主性は実現できません。

指導者自身も本質を見抜く力が必要だと思います。


紙の爆弾 2017年 9月号 [雑誌]

鹿砦社/鹿砦社

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by amenbou | 2017-08-18 23:24 | 批評 エッセイ | Trackback | Comments(0)