ブログトップ

NEWS-SELECT

☆彡★彡☆彡2015年5月21日★彡☆彡★彡

☆彡安保法案  秘密法と表裏一体運用
(c)東京新聞 2015年5月17日 朝刊

c0018311_9152784.jpg 政府が国会に提出した安全保障関連法案は、もし成立、施行された場合、特定秘密保護法と表裏一体で運用されることになる。安保法案と秘密保護法は「適用の要件があいまい」という共通点を持つ。根拠となる情報が国民に知らされないまま、自衛隊による海外での武力行使の道が開かれる恐れがある。(城島建治)

 集団的自衛権を行使できるようにする武力攻撃事態法改正案は、日本と密接な関係にある国が攻撃され「(日本の)存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」がある場合など、武力行使の新三要件が満たされた時、集団的自衛権を行使できると定めている。どのような事態が要件を満たすかについては、政府・与党の中でさえも意見が分かれていて、最終的には政府の判断に任される。

 昨年末に施行された秘密保護法は防衛、外交、スパイなどの防止、テロ活動防止の四分野で、情報の「漏えいが国の安全保障に著しい支障を与える恐れがある」などの要件を満たせば、政府が特定秘密に指定できる。しかし、どのような情報が「国の安全保障に著しい支障を与える」のかはっきりしない。集団的自衛権を行使できるようにする時と同じように、政府が思い通りに判断する余地を残す。

 集団的自衛権を行使するかどうかを決めるのは国家安全保障会議(日本版NSC)で、実質的には首相や官房長官らによる緊急事態大臣会合などで決める。

 NSCが分析、議論した内容について機密性が高いと判断すれば「特定秘密」に指定する仕組みだ。これまで開かれたNSCの「結論」はすべて特定秘密に指定されている。内閣官房国家安全保障局は「NSCの結論は原則、すべて特定秘密になる」と話す。

 集団的自衛権の行使を決断する時は、米国などから寄せられた情報を含め、より機密の高い情報を扱う。政府の原則通りなら、NSCの結論は特定秘密になる。そうなれば政府の判断が正しかったかどうか、事後検証するのさえ極めて難しくなる。

★彡サザン桑田が新アルバムで反日バッシング対策!? 週刊誌にもコラボ企画でPR予算バラマキ
(c)LITERA 2015.05.12.

 今年3月31日に10年振りとなるアルバム『葡萄』(ビクターエンタテインメント)を発売したサザンオールスターズ。しかし、同作をめぐってはある疑惑がささやかれている。それは、このアルバムが例の“反日バッシング”対策でつくられたのではないか、という疑惑だ。

 周知のように、桑田佳祐は昨年末の紅白歌合戦で「ピースとハイライト」を披露し、大炎上した。歌詞が安倍政権批判だ、桑田のちょび髭姿がヒトラーを連想させる、としてネット上では「桑田は反日だ!」とネトウヨが大反発。また、これは横浜アリーナで行われていた年越しライブからの中継だったが、背後のスクリーンに映し出された日の丸にバツ印がついていたことや紫綬褒章をポケットから取り出したことにも非難が集中し、右翼系団体がサザンの所属事務所前に街宣車で乗りつけ、抗議活動を行う事態に発展した。

 正月明けになっても騒動は収まらず、週刊誌やスポーツ紙もこぞってバッシング報道を展開。1月15日には、桑田圭祐と所属事務所アミューズ名で謝罪文を発表している。

 そして、新アルバム『葡萄』にはどうやら、こうしたバッシングへの対策、貼り付けられた「反日」「国賊」というレッテルを払拭する意図が込められているようなのだ。

 そのひとつの表れが、アルバムに収録されている「Missing Persons」という曲だ。この曲は、北朝鮮による拉致問題をテーマにしており、《後が無いのは向こうさ 瀬戸際の状況さ》《愛しい人よ 今 逆転勝利へ》などの歌詞が盛り込まれ、《Megumi,Come back home to me.》と、拉致被害者の象徴的存在である横田めぐみさんの名前を歌い上げている。

 ──言わずもがな、拉致問題は安倍晋三首相のライフワークで、最大の看板にしている政治課題。そんなところから、桑田は“反日ではなく愛国者”“安倍首相支持者”であることをアピールする目的でこの楽曲をアルバムに入れたのではないか、と言われているのだ。

 実際、桑田はメッセージソングをいくつもつくっているが、これまでの曲に比べると、「Missing Persons」はあまりにも直接的だ。たんに拉致問題をテーマにしているだけでなく《後が無いのは向こうさ 瀬戸際の状況さ》など、安倍首相がしばしば口にしてきた主張をなぞるような歌詞、また、インタビューでも「2002年に拉致問題が認められて以来、なかなか状況は進展していない」「ご家族の帰りを待つ方々の気持ちを思えば、歯痒いなんて言葉では済まないと思うんです」(スイッチ・パブリッシング「SWITCH」Vol.33 )と、これでもかというくらいに拉致問題への思いをアピールしている。

「あのバッシング騒動が起きて、桑田さんは大きなショックを受けていました。右翼から抗議を受けたこともあって、かなり追いつめられ、アミューズとビクターは社をあげて必死で対策に走り回っていた。『Missing Persons』はその対策の目玉のひとつでしょう。『葡萄』の制作は昨年から始まっていましたが、今年になって急遽この曲がアルバムのメインになったという話もあります。実際、プロモーションでも『Missing Persons』を前面に押し出していますから」(ビクター関係者)

 さらにもうひとつ、桑田サイドはこの新アルバム発売にあわせて、露骨なバッシング対策を行っている。それは4月24日からローソンで無料配布された「スペシャルマガジン 総力特集 サザンオールスターズ『葡萄』」というPRマガジンだ。

 36ページからなるこのフリーペーパー、開いてみると「週刊文春」(文藝春秋)「週刊現代」(講談社)「週刊ポスト」(小学館)「週刊プレイボーイ」(集英社)「週刊SPA!」(扶桑社)という5つの週刊誌が4ページずつを受けもち、それぞれ『葡萄』の中の1曲をテーマに特集を展開している。いわば、“週刊誌の出張版フリペ”という体裁だ。

 また、それぞれの週刊誌の誌面でもこのフリペと『葡萄』の紹介記事がでかでかと掲載されており、ようするに、『葡萄』のプロモーションが週刊誌とのコラボレーションで大々的に行われているのである。

「これらの週刊誌には一誌当たり数百万円から1千万円の金が支払われているようです。サザンのプロモーション予算は億単位で、通常は映像にいちばん金をかける。しかし、今回はこの企画にもっともお金を使っているんじゃないでしょうか」(同)

 いったいなぜ週刊誌なのか。このコラボ企画について、PR記事を掲載した「女性セブン」(小学館)では、「桑田さんは毎週記事をチェックしているほど大の雑誌好きだそうです」という事務所関係者のコメントを紹介し、「今回の新アルバムはとくにピュアなラブソングから時事問題まで歌っていて、“なんだか週刊誌みたいなアルバムだな~”と話していてスタッフがこの企画を思いついたそうです」としているが、「週刊誌みたいなアルバムだから」というのはちょっと苦しすぎる言い訳だろう。

 そう。すでにお察しだと思うが、この企画は、桑田がこれ以上、週刊誌からバッシングを受けないように、所属事務所のアミューズが仕掛けたものなのだ。
「1月の終わりか2月のはじめごろ、アミューズのマスコミ担当幹部のN氏から各週刊誌にアプローチがあったようです。かなりストレートに『バッシングで困っている。助けてほしい』という要請だったようですよ。もちろん、週刊誌の側も売れ行き、広告出稿が激減している状況ですから、喉から手が出るほどありがたい企画で、ほとんどの週刊誌はこのオファーを一も二もなく受けたようです。断ったのは『週刊新潮』だけらしいですね。ただ、バッシングが起きてからもち上がった話だったため、アルバムの発売には間に合わず、1カ月遅れの配布になってしまったんですが……」(大手出版社社員)

 当然、フリペの内容もかなり露骨だ。巻頭では桑田と昵懇の音楽評論家・渋谷陽一が「ピースとハイライト」を〈歌のテーマに優劣はない。世界平和を祈る歌も、女とやりたいという歌も、そのテーマにおいて同等である〉と全面擁護。「Missing Persons」を取り上げた「週刊文春」では、横田めぐみさんの両親である横田滋・早紀江夫妻にこの曲を聴いてもらい、「この曲で桑田さんが歌われているように、有名な方が拉致問題のことを歌ってくれたら……と昔から思っていました。ですから、今ようやくその願いが叶った気がします」という感想を引き出している。

「もっとも影響力がある『文春』に『Missing Persons』を振るってあたりが露骨だなと思いますよね。もともと『文春』は、闘病後に復活した際も独占密着取材を行ったりとサザンと関係は深いですが、『文春』のイケイケ路線を考えるといつ寝返るかわからない。でも、これで関係は盤石。『文春』に限らず、『ポスト』や『現代』も、しばらくはサザンのバッシング記事を掲載しないでしょうね」(前出・大手出版社社員)

 実際、このプロジェクトがもち込まれた2月以降、桑田の紅白パフォーマンスに関する批判記事は週刊誌から完全に姿を消してしまった。

 金をばらまいて自分への批判を押さえ込もうとするアーティストと、その金を嬉々として受けとり、一転してヨイショ記事を書き始めるメディア……。なんともうんざりするような話だが、もっと暗澹とさせられるのは、あの程度のパフォーマンスでこうした裏工作までせざるをえない日本の芸能界の構造と言論状況だ。

 桑田は今回の紅白以前から、安倍政権に対してはかなり批判的な姿勢をとっていた。2009年には『桑田佳祐の音楽寅さん〜MUSIC TIGER〜』(フジテレビ系)でビートルズの「The End」の空耳カバーとして《安倍 安倍 永遠次年度トラブって 美しい国 夢》というようなフレーズを歌ったこともある。

 それが今回、前述した「SWITCH」のインタビューではわざわざこんな弁明をしている。

「僕には何か特定の主義もなければ思想もありませんし、右でも左でもリベラリストでもなけりゃ聖人君子でもない」

 おそらく桑田が言うように、彼自身にはなんの思想もない。しかし、欧米なら思想のないアーティストが軽い気持ちで政権批判をしたところでなんの問題にもならないだろう。政権批判に覚悟や思想を要求されるということ自体がこの国の「表現の不自由」を物語っている。
(田部祥太)

☆彡外国人観光客の“爆買い”衝撃で日本が“変形” 男性マニア向け店まで外国人殺到…
(c)Business Journal 2015.05.10

「インバウンド(訪日外国人観光客)消費を狙え」が、小売業の合言葉になりつつある――。

 2014年の訪日外国人観光客は年間1300万人を突破し、特に東京、大阪などの都市部を中心に外国人による消費で活気づいている。インバウンド消費で注目されている株式銘柄の代表格が、大手百貨店・三越伊勢丹ホールディングス傘下の銀座三越。インバウンド売り上げは業界屈指だ。松屋銀座本店も外国人観光客が多い。専門店では、観光名所となったディスカウントストア、ドン・キホーテ(運営会社:ドンキホーテホールディングス)や、中国人観光客の定番コースに組み込まれている家電量販店ラオックスなどが有名だ。

異色の小売業シュッピン

 このほかにインバウンド消費で業績が急拡大している異色の小売業に、東証マザーズ上場のシュッピンがある。同社は、日本最大級のカメラ取引サイト「Map Camera」や高級時計取引サイト「GMT」を運営するネット通販企業だ。一部の男性マニア向けに特化しており、ネット店舗のほかに実店舗でも販売。実店舗は1分野1店の計4店舗に絞り込んでいる。

 異変が生じたのは実店舗のほうだ。インバウンドによる免税品売り上げが急増したのである。

【店舗売上高の外国人観光客比率】

・14年3月期   
1Q:18.7%、2Q:15.5%、3Q:17.8%、4Q:14.9%       

・15年3月期
1Q:32.1%、2Q:34.4%、3Q:40.3%

 店舗売上高に占める免税売り上げは12年10~12月までは10%もなかった。2ケタ台に乗るのは13年1~3月以降で、訪日観光客が急増した14年4~6月は32.1%、14年7~9月は34.4%と3割台に乗せ、14年10~12月は40.3%と初めて4割を超えた。円安で同じブランドの商品が香港などより安いとネットで話題になり、販売が急増した。

 キヤノンやニコンなど、20万円以上する日本製高級カメラをまとめ買いする観光客が目立った。高級時計の伸びも大きく、時計の14年10~12月の免税売上高は前年同期比3.6倍に達した。ほとんどの外国人観光客は高級時計をネットでチェックし、店舗で指名買いした。

 インバウンド消費の効果で、15年3月期の売り上げは前年同期比14%増の178億円、当期純利益は28%増の4億9900万円と増収増益の見込みだ。ネット通販と実店舗の売り上げは半々。

 こうした好調を受け、シュッピンはインバウンド関連銘柄として株式市場で注目されるようになった。今年1月30日に上場来高値の1960円をつけた。12年12月の上場時の初値は275円(株式分割考慮後)だったので、約2年で株価は7倍強になった計算になる。

シュッピン社長は一時代を築いた風雲児

 シュッピン社長の鈴木慶氏は、パソコン販売で一時代を築いた風雲児として有名だ。21歳でレンタルレコード店を開業したのを皮切りに、1982年にソフマップを設立、パソコンソフトのレンタル事業を始めた。その後、ソフマップは中古パソコンの売買事業にくら替えし、新品も扱った。創業10年で年商1000億円の大企業に押し上げた。

 だが、ITバブル崩壊で事業拡大が裏目に出て挫折。2000年、ソフマップ社長を退任し、IT企業ドリームテクノロジーズ(現トライアイズ)社長に専任。同社は01年、ナスダック・ジャパン(現ジャスダック)に上場を果たすが、03年に社長を退任した。そして05年にシュッピンを設立して、高額品に特化したカメラ、時計、筆記具、ロードバイクの中古品、新品のネット通販を開始。12年12月、シュッピンは東証マザーズに上場した。

 ソフマップなどの事業経験から、シュッピンは「商材・店舗・人員を絞り込み、高い専門性と低コストを追求する」利益重視のビジネスモデルに変更した。それでも、インバウンド消費の急増は想定外だったようだ。円高に戻れば、インバウンドバブルは消える。ITバブルに乗って事業を拡張したソフマップで、鈴木氏は苦い経験を持つ。

 インバウンド消費が落ち着いた時にどう対処するかが、シュッピンの今後を占うポイントになりそうだ。





★彡「選択」と「競争」の視点から考える――日本がアメリカの医療保険制度から学ぶことはあるのか?
(c)ヘルスプレス 2015.05.12

 オバマ政権下の医療保険改革は、公正さを実現するための実験である。そして、公正さに欠ける日本の医療保険制度は、アメリカの医療保険改革から多くのことを学ぶ必要がある。なお「公正さ」とは、「競争と選択の提供により国民の自由を保証すること」と定義づける。

 アメリカの医療保険制度にも勝るのが世界に冠たる日本の国民皆保険で、「人類の常識」が通用しないのがアメリカの保守派であり、「日本の皆保険はすばらしい」という論調がある。

 いつでも、どこでも、誰でも、比較的低料金で医療サービスを受けることができ、そのおかげで日本人の平均寿命は飛躍的に伸びている。日本は経済協力開発機構(OECD)諸国の中でも国民医療費が低く抑えられ、まさに世界の見本になるようなすばらしい医療制度である――。

 確かに、このような側面は、非常に良い面だと言える。しかし、この「良い面」と対になっている「裏面」を、なぜ日本人は見ようとしないのだろうか? この「良い面」を実施するためには、非常に強力な中央集権体制が必要であり、「良い面」が進展すればするほど、必然的に国家の権力が肥大化していくのだ。そして国家権力の肥大化によって、公正さが押しつぶされる可能性も大きくなる。

「パブリック・オプション」をめぐる議論が意味するもの

 オバマケアで最終的には採用されなかったが、大きな話題になったのが「パブリック・オプション」である。

 これは連邦政府が保険者となる医療保険プログラムで、当初、民間医療保険プログラムとともに、主に無保険者を対象に提供されることになっていた。日本は公的医療保険による国民皆保険だが、アメリカにはメディケアなど、限定的にしか公的医療保険がなく、皆保険に公的医療保険を加えるか否かは、その改革の性質を見極める上で重要である。オバマも当初は、パブリック・オプションの導入を進めていた。

 しかし、共和党を中心とした保守派は、オバマの医療制度改革が自由(国家権力からの自由)、平等(機会の平等)、民主主義という米建国の基礎となった理念から逸脱している点を批判した。

 これに対してオバマ大統領は、「基本理念は選択と競争により消費者はより良いサービスを受けられることである」と主張する。

 オバマにとってパブリック・オプションは、民間医療保険業界が寡占状態で暴利をむさぼることなく、選択と競争を提供するという目的を達成するための手段に過ぎないものであり、選択と競争が確保される状況であれば、パブリック・オプションの導入そのものにはこだわらなかった。

 最終的にオバマ大統領は、パブリック・オプションを法案に含めないことに同意した。オバマ大統領も選択と競争こそ重要視した価値観なのである。そういう意味において、オバマと共和党員を中心とした保守派との間には、公正さを担保するという点では共通点があると言っても過言ではない。

 ひるがえって、世界に冠たる日本の皆保険を考えると、職業や住む地域によって国家から一つの医療保険を強制的に付与されており、国民には医療保険を選択する余地はなく、各保険者は互いに競争することもない。診療報酬、薬価、治療方法まで、すべて中央で決められる社会主義的医療保険である。

 このように選択と競争を視野に入れない日本と比較すれば、オバマケアの方が公正さという点では勝っているのではなかろうか。アメリカの医療制度改革は、医療における競争と選択の重要性に関して検討する機会を提供している。

☆彡オバマケアを斬る なぜアメリカには国民皆保険制度がなかったのか?
(c)ヘルスプレス 2015.02.10.

 2010年3月、「患者保護と妥当な医療に関する法律」、通称「オバマケア法」が発効された。アメリカで初めて、国民皆保険にかなり近づく画期的な法律だと言われている。

 今回から何回かにわたって、オバマケアをさまざまな側面から分析し、日本の医療制度が学ぶべき点や学んではいけない点を検討してみたい。第1回目は、アメリカの無保険者のこと、および日本のような国民皆保険が導入し難い理由を検証する。

2億5000万人もの人が自発的に医療保険に加入している

 アメリカには医療において、国民皆保険制度はない。5000万人程度(人口の約16%)が無保険者だと言われている。世界トップクラスの医療費を使いながら、これほど多くの無保険者がいる国として、否定的に見られることが多い。

 しかし、視点を変えれば、肯定的な評価もできる。アメリカは、国民皆保険制度、つまり、国家による強制がないにもかかわらず、2億5000万人程度(人口の約84%)が何らかの医療保険を持っている国なのである。5000万人の無保険者を強調するのか、2億5000万人もの人が自発的に医療保険を持っていることを強調するのか、それによってアメリカの医療制度の評価も異なってくる。

 この問題を検証するにあたって、大きな疑問が2つ挙げられる。

①なぜ2億5000万人もの人が自発的に医療保険に加入しているのか。
②なぜ、強制的に5000万人の無保険者問題を解消する、日本のような国民皆保険制度が導入できないのか。

 実は①と②は密接に関連した問題であり、①の答えが、日本のような国民皆保険の導入を難しくしているのである。

 アメリカには、公的医療保険として、65歳以上の高齢者と全永久就業不能者・末期腎不全者等を対象としたメディケアがあり、2010年末では約4750万人が加入している。また、低所得者に対する公的医療保険としてのメディケアがあり、2014年の会計年度において約6400万人の加入者があった。さらに、これらのメディケイドに加入するほど低所得ではないが、民間医療保険を購入できるほどの余裕もない家庭の、19歳以下の医療保険を持たない子供に対する公的医療保険として、州子供医療保険プログラムがあり、2008年の資料では360万人程度の子供が加入していた。

 上記以外は、基本的にすべて民間医療保険を利用している。アメリカで最も多い形態は、職場を通じて医療保障を受けることだ。アメリカでは医療費、医療保険料が高額なので、勤務先を通さず、個人が直接、保険会社と契約を結ぶことは少ない。したがって、「雇用―安定収入―医療保険」がセットになっているのである。

 しかも、日本のように、雇用主と従業員が保険料を折半することが決まっているわけではない。雇用主が全額負担する場合もあれば、雇用主:従業員=8:2や7:3といった割合が多い。1:1や従業員のほうが高い掛金比率というのはまれである。

第二次世界大戦期に職場を通じた医療保障が拡散

 このような職場を通じた医療保障は、第二次世界大戦の産物である。当時のローズヴェルト政権がインフレ抑制のために賃金凍結を行った見返りに、従業員への福利厚生の一環として、雇用主が職場医療保険を従業員に付与するようになったのである。これ以降、職場を通じた医療保障がアメリカでは一般的になった。

 このようにして、政府が公的医療保障を全国民に与えようとする前に、職場を通じた医療保障が一般的になっていった。すると、すでに医療保険を持っている中間層は、低所得者に医療保障を与えるために、税金や社会保険料を支払って新たに公的医療保険制度を作るインセンティブが無く、国民皆保険制度には反対の立場だった。どうして、新たな税金や社会保険料を支払って、現在享受している医療保障よりも恐らく質的に悪くなる公的医療保険を作る必要があるのだろうか。

 換言すれば、第二次世界大戦期に職場を通じた医療保障が拡散していったことが、全国民を対象とした公的医療保険制度ができなかった大きな理由である。さらに、国民の心情として、政府の介入を社会主義的だと嫌悪したこと、アメリカ医師会や保険業界等の強力な利益団体が反対したことなどの理由が重なり合って、国民皆保険制度はできなかったのである。

杉田米行(すぎた・よねゆき)
米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)
現在、大阪大学大学院言語文化研究科教授、専門分野は国際関係と日米医療保険制度

ライター

c0018311_929438.png☆彡★彡☆彡★彡☆彡★彡☆彡
みなみあめん坊Z
FaceBook
★彡☆彡★彡☆彡★彡☆彡★彡
[PR]
トラックバックURL : https://amenbou.exblog.jp/tb/24090803
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by amenbou at 2015-05-26 17:38
今宵も吉田類の酒場放浪記のお店を訪ねて鴬谷のS店へ。1串70円の全種類で10本を塩で頼み、一杯350円のカボスサワーを3杯。勢いをつけ山手線で新宿G街へ。今日はP店で呑んだくれることにする( ^ ^ )/■
Commented by amenbou at 2015-05-26 17:39
ただいま日比谷野音。集会前のミニコンサートで六文銭の四角佳子さんが登場。あの吉田拓郎の最初の妻(二人目が浅田美代子、三人目が森下愛子)で、大ヒット曲「結婚しようよ」は彼女のために作られた🎶
Commented by amenbou at 2015-05-26 17:39
夜半にホテル14Fの窓を叩く激しい雨音はこの雷鳴だったのか。
Commented by amenbou at 2015-05-26 17:40
新宿にやってきた。目的地は唯一つのG街だ。狭い路地は外人だらけ。最近やたら多い。入る店の前で外国テレビがカメラとマイクを向け外人達にインタビューしている、だから益々外人が増えるわけだ。まずはK店で東北人の客たちに関西名物を講釈した。帰りの勘定書にママがそれを記していた。あのね、「オリバー泥ソース」「旭ポンズ」「味覇」なんですけど。それと「ビガシマルうどんスープ」を書き忘れているよ。
Commented by amenbou at 2015-05-26 17:40
江戸にやってくると、夜の目標は吉田類の酒場放浪記のお店を訪ねること。ということで、銀座コリドー街にあるM店へ。甲子園での阪神巨人戦を流している店内は満員の盛況。近くのリーマンやOLやヤンキースキャップの黒人など多種多彩なお客。男の店員らは一瞬刺青と見間違える厳つい鯉口シャツ姿。ぼくはハイボールとキャベ味噌で、焼き鳥を待つ。珍しかったので、続いてクランベリーハイ、クエン酸ハイを飲んだ。気分が良くなり、丸の内線で新宿へ。途中配偶者に近況報告すると「新宿はやめてホテルに帰れ」のお達し。
by amenbou | 2015-05-21 00:00 | ニュース・メディア・映画 | Trackback | Comments(5)

★彡Amenbou Premium★彡身の廻りで起きる現象を的確に批評・分析しますがあくまで個人の感想と意見です。